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ペッヒラーナー園長
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【ウィーン=小笠原正佳】動物園経営は赤字が常識の欧州で、ウィーン市内のシェーンブルン宮殿動物園が自給自足を達成している。他の動物園が年間予
算の40−60%を公共の助成金で賄っているのに対し、シェーンブルン動物園は国から145万ユーロの助成金を受けているものの、助成金はすべて新規
の設備投資に使用している余裕ぶりだ。
1752年の創設のシェーンブルン動物園は世界で最も古い動物園といわれているが、公営だった1991年までは、従業員の人件費が収入の150%を
超える赤字で閉園の噂が絶えなかった。動物園の救世主はペッヒラーナー園長。1992年の民営化の際に、インスブルックのアルペン動物園から抜擢され
た同氏は、倒産が確実視されていた動物園を2003年までに年収1450万ユーロ、従業員数は2倍以上の180人に増やし、人件費の年収に占める割合
は43%という優良企業に蘇らせた。
同園長の経営再建策は、まず動物園を市民やツーリストにとって身近な存在にすること。目立つロゴの看板を増やすだけでなく、施設の改善、新たな動物
購入や飼育に関する失敗談まで園内で起きているすべての出来事をマスコミに報道するように働きかけた。また同時に、資金確保のために個人や企業に積極
的に窮状を訴えたという。柔軟な資金集め策は、施設の維持に必要なすぺてのペンキを無料で提供する塗料メーカー、ライオン飼育料をすべて負担するライ
オンをロゴにしている企業、動物の空輸を無料で行う航空会社などを確保した。
入場料金は、大人の一日券が12ユーロ、365日有効の1年券が50ユーロ。子供向けは半額。2003年には1年券が2万枚売れたという。入場者数
は入場料金が91年当時の5倍増えたにもかかわらず、当時の3倍の200万人に達した。
動物園経営のバロメーターは市民のリピーター数と観光客導入力。動物のアトラクションだけでなく、子供向け、大人向けの各種セミナーやナイトスコー
プをつかって夜中に暗やみの中の動物の様子を見学するツアー、動物学者の会議主催までおこない他園との差別化を図っている。今後は、世界で最も古い動
物園として、歴史的建造物を活かした施設作りを積極化するという。
(2005年2月17日)